読者の方からのメール康夫ちゃんの追っかけ日記を書いているおかげで、時々私書箱にメールをいただくことがあります。 今回も知事選前にお知り合いになった方がいて、 その方が折に触れてたくさんの情報を送って下さいます。 友人は情報発信のツールを持っていないので、 代わりに私がここでその情報を公開することにしました。 情報の一つとしてお読みいただければありがたいです。 <地方メデイアも小泉一派に支配されている> 長野県内最大の地方紙である信濃毎日新聞は、小泉政権の閣僚の一人・小坂憲治氏 の一族が経営しており、本人も大株主で、この4年間反田中で徹底的に県民を洗脳し てきました。全国紙地方版も田中知事の脱・記者クラブ宣言後、同様の姿勢を取って いるようです。さらに小坂一族は県内ラジオ、テレビ局も支配しているため、従来型 のメデイアから県民が公正な情報を得るのは困難な状況です。 声欄を読んでいたら、「小泉がキレたのは改革同志の田中知事が郵政民営化反対派に 負けたからだ」などという大変な事実誤認の投稿があったのに仰天し、これはぜひ真 実を知らせておく必要があると思い立ちました。 反小泉は田中氏の方で、村井氏は反小泉ではありません。それどころか、長野県自民 党の代表が官邸に相談に行ったとき、官邸の実力者といわれる飯島秘書官(長野県出 身)の方から村井氏を推薦してきたのですよ。これによって、旧来の組織のみならず 公明党を支える団体が村井氏側につきました。特に創価学会はこれまで2度の知事選 における中立(自主投票)の立場を捨てて全面支持に転じました。この十数万票は大 きかったと思います。村井氏が当選後、県内の支援者はさておいても真っ先に小泉首 相に挨拶に行っているのはそのためです。 <長野県知事選 官邸の高笑いが聞こえる> 今回長野県知事選においては小泉自民党は官邸も含め、というより官邸が率先して 村井氏をバックアップしております。豪雨災害に見舞われ、大臣が視察に訪れたとき 田中知事が説明と要望を行おうとしたら、選挙違反になると称してわざわざ大臣を車 から降ろして同乗させないよう官邸から支持があったとか。 その件にしても、村井氏が現地で「災害は天の戒め」などと発言して顰蹙を買った件 にしても、全国紙やスポーツ紙には載っても、長野県民の6割以上が購読している信 濃毎日新聞には載りませんでした。何しろ村井選対の中心人物が握っている新聞です からね。 反田中側は、災害時に知事が陣頭指揮するのもパフォーマンスだなどとせせら笑いま す。まあ前のミズスマシ閣下は余り目立たぬようにしていましたから、それと比較す れば目立ちたがりに映ってしまうのでしょうね。もっともしなければしないで、また 非難の大合唱になるのが目に見えています。 飯島秘書官については、表に出ることは少なく実像が知られているとは言い難いの ですが、マスコミを掌握し、世論調査なども密かに行って、その結果政権に都合の良 い方向に世論誘導するのはうまいようです。 2004年10月「週刊新潮」に「官邸のラスプーチン 飯島勲研究」という連載記 事が載りました。地元利権との癒着を匂わした第2回「田中康夫知事も問題にした不 可解な福祉事業」及び第3回「3億円補助事業も息子の就職もやりたい放題」の記事 の時は何と、長野県の新聞広告の中からこの見出しは消えていました。大物ぶりを表 した1回、4回の時はちゃんと載っていたのに。 このときから、地元マスコミも(仮に小坂氏の存在がなかったとしても)官邸に制御 されているなと思うようになりました。 <「長野県の財政は田中知事のせいで悪くなった」という嘘> 長野県内のメデイアは、田中知事に関するプラス評価は意図的に隠蔽してきました。 また、県議や対立首長の言い分を検証もせず一方的に垂れ流すことで、あたかもそれ が事実であるかのように思わせる役割を果たしてきました。無責任この上もないと思 います。ただ地元にいると、自分の感覚や知識だけでも随分おかしいと分かることが あり、メデイアの報道に不信感を抱かざるを得なくなりました。 長野県の財政が危機的状況であることをしばらく前までほとんどの県民が知らなかっ たと同様に、田中知事が借金を減らしている事実をメデイアは最近まで県民に報道し ませんでした。それが知られるようになると、今度はそのせいで景気が悪くなったと 反対派の非難の材料。もっとも4年前の最悪の財政状況も田中知事のせいだと、だか ら不信任を出したとめちゃくちゃな論理を展開したくらいで、今回の選挙もその延長 線上にあったと言えます。 次回からのメールにより、反対派の非難が誤りであることを述べてみたいと思います。 <「長野県の経済は田中知事のせいで悪くなった」の嘘を、長野市繁華街 の様子で見る> 経済悪化の原因は全国的な不況、政府による地方切り捨てもあるが、加えて長野県 の場合は身の程知らずなオリンピック開催にあったことは自明の理。期待した利益も 大半は県外資本に持って行かれて、宴の後はまさに焼け野原状態、それはオリンピッ ク前でさえ同様だった。 オリンピック本番期間中を除けば、長野市の盛り場であるはずの権堂とか大門では、 平日なんていつ行ってみても通りに人っ子一人見えないありさま。初めて知事選に立 候補した田中康夫氏が権堂で遊説した日は、珍しく大勢の人がいた。バス停付近にい たら、バスを待っていた女性から「今日は何か行事があるのか」と聞かれたほどであ る。 そのころに比べれば、よほど現在の街は人が出ている。特に大門など、県主導で地元 と協力した花祭りから後は地元の努力と相まって、かなり賑わい始めたように見える。 そういえばあの祭りに対して、鷲沢長野市長(建設資材会社を経営。問題の浅川ダム のセメント提供予定の会社)は余り協力的ではなかったようだ。セメントで塗り固め る工程がなかったからだろうか。 権堂に関しては、あるお店で聞いたところ、高齢者が多く後継者のいないせいもあっ て自分一代限りだからと、街を何とかしようと努力する気持が弱いのだそうである。 事実以前あった店が次々となくなっている。それでも通りとしては、オリンピック直 後より余程人の歩く姿が見られるようになっている。 <「長野県の経済は田中知事のせいで悪くなった」の嘘を県民所得と雇用 に見る> 演説、法定ビラの中で村井陣営は、田中知事になって長野県の経済は停滞したという ことを証明するために、県民所得や求人倍率の数字を持ち出して並べて見せた。それ によると全国12位!の県民所得が20何番目かに転落したことになっている。まこ としやかに数字を並べると主張が説得力を帯びてくる。まさかその数字にカラクリが あるとは疑いもしない。短期決戦の時間的制約の中では数字をあげて反証する余裕が なく、この数字をそのまま県民は信じ込まされてしまった。 後になって正しい数字を知った。次の通り。 <長野県民所得の全国順位> 平成10年 28位 11 34 12 36 (この年の10月田中氏が知事就任) 13 31 14 26 15 27 平成10年以前は10年とほぼ同様の数字。要するに県民所得12位ほか一連の輝け る数字というのは、あったとしてもオリンピック開催前のオリンピック・バブル時瞬 間的に記されたもの。その県民も本来の県民というより、オリンピックを当て込んだ 大企業などの臨時住民や土地を売った高額所得者が多いのではないかと想像される。 開催後は県民所得は落ちる一方、反対に高額の負債は重くのしかかってきた。その最 悪の年、財政破綻団体寸前の年に田中氏は長野県知事となった。まさか田中氏を引っ 張り出した経済界の重鎮らは、破綻の原因を押しつけるために彼を必要としたのでは あるまいな。 しかし田中知事は、連続して黒字にしたうえで900億円以上の借金を返し、さらに 県民所得順位も前以上に戻しているのである。全国的な落ち込みの中で良く踏みとど まったと言うべきであろう。観光にしても全国平均より落ち込み率ははるかに低い。 この手腕を評価する代わりに偽りの数字で泥を塗り、長野から追い出した輩が望むも のは何か。 求人倍率についてもオリンピック開催時の0.88から現在1.20と全国平均よりか なり高い数字となっている。ただし南北での差がある。これはオリンピック・バブル の恩恵に預かることの少なかった中南信の努力の賜で、公共事業に依存してきた北は 自助努力が求められる。 |